【質問きてた】ご褒美をあげないと勉強しない…これってダメですか?

こんにちは、個別進学塾トークス平塚校 代表の宮崎です。

塾のお問い合わせ用LINEから質問が飛んできたので、こちらで回答してみようと思います。

中学生の息子を塾に通わせているのですが、点数が全く伸びません。次のテストでいい点数を取ったらご褒美をあげようか迷っているんですが、「ご褒美目当ての勉強」になってしまわないか心配です。
そもそもご褒美制度は効果があるのでしょうか?それとも、もっと勉強の楽しさや重要性を伝える方法を考えるべきでしょうか?息子が前向きに勉強するようになる方法があれば教えてください。

ほうほう、「ご褒美で釣って勉強させるのはアリなのか?」という趣旨のお悩みですね。

たしかに理想を言えば、子どもが自分の意志で机に向かい、勉強自体を楽しめるようになることが一番でしょう。

しかし、現実はそんなに簡単ではありません。(そんな子どもばかりなら、僕らの仕事がどれだけ楽になることか…

大人でさえ仕事や家事、運動など…多くの行動を「ご褒美」を励みに頑張っていたりします。

給料日があったり、旅行の計画があったり、運動後に美味しいものを食べたり…。

そして、こうした仕組みは大人だけでなく、子どもにも当てはまります。

では、果たしてご褒美を与えて勉強させるのは本当に良いことなのでしょうか。

本日はこの質問に対して、ご褒美の効果的な使い方注意点について詳しく解説してみます。

この記事を書いた人
宮崎 裕隆

個別進学塾トークス代表の宮崎です!
大手塾に勤務後、独立し茅ヶ崎市に自分の塾を開校。常に満席になることが増えたため、2教室目としてトークスを立ち上げました。
10年以上の指導歴があり、数百名の合格者を出している、神奈川県の高校受験・大学受験の専門家です。

ご褒美こそ人間の行動を動かす「仕組み」である

そもそも「勉強のやる気」はどこから生まれるのでしょうか。

これは子どもに限らず、大人にも共通する問題です。

大人の場合は、

・給料があるから仕事を頑張る
週末の旅行を楽しみに平日を乗り切る

というように、目の前のご褒美や楽しみがあるからこそ行動を継続できます。

子どもはこの傾向がさらに強いです。

なぜなら、子どもは将来の目標や長期的なメリットを実感しにくいから。

「いま勉強を頑張れば将来役立つよ」と伝えても、それをモチベーションにできるのは一部の子だけ。

ほとんどの子にとっては、もっと目の前にある楽しみや報酬の方が行動の原動力になります。

心理学でも、行動の直後に得られる報酬はその行動を強化する効果が高いことが知られています。(「オペラント条件づけ」という心理学らしいです。)

つまり、勉強という行動の直後に嬉しいことがあると、その行動は継続しやすくなると。

人間はけっこう単純な仕組みで動いてるんですねぇ。

だからこそ、勉強に対してご褒美を設定することは、極めて現実的で効果的な戦略なんじゃないかと思うんですよね。

この問題は「ご褒美が良いか悪いか」ではなく、「どのようにご褒美を使うか」にあると僕は考えています。

失敗しないご褒美のルールづくり

さて、実際にうまくご褒美を活用して、学習習慣を定着させたケースを見てみましょう。

過去にあった話ですが、個別進学塾トークスに入会してまだ間もない、新中学1年生の男の子。

彼は最初、勉強が大嫌いでした。そこで僕はお母さんに、

・スマホやゲームの時間を15分だけ延長してOK
・3日続いたらコンビニスイーツを一緒に買いに行く
・お風呂のあと、自分で選んだお菓子を食べてもよいルールを設定

といった、小さなご褒美を用意するように提案しました。

すると2ヶ月も経たないうちに、自分から「今日は勉強が長くなりそうだから、ゲームはいいや」と言い出すようになったんです。

この変化は、ご褒美によって「できる自分」を実感できたからこそ、生まれたものではないかと思います。

しかし、ご褒美はあくまで「きっかけ」に過ぎません。重要なのは、その使い方です。

真っ先に意識したいのは「行動そのものへの評価」です。「結果」ではなく「過程」をほめることで、勉強への抵抗感は減っていきます。

・今日は最後まで諦めずに考えられたね
・昨日より集中できたね
・お母さんはとっても嬉しいよ

といった声かけはとても効果的です。

また、ご褒美の内容は「高価なもの」や「非日常の特別なもの」である必要はありません。

・親子で一緒に買い物に出かける
・好きな曲をかける
・一緒におやつを食べる

など、身近で手軽なもので十分です。

他にも、

・一緒に近所のカフェやファミレスに行く
・好きな映画を家で一緒に観る
・次の週末に親子でショッピングに出かける(予算は500円)
・好きなYouTube動画を一緒に見る(“一緒に”がポイント)
・文房具(かわいいシャーペン、使いやすいペンなど)を選ばせる
・推し活アイテム(キーホルダーやシールなど)を月1でゲット
・お風呂で好きな入浴剤を使ってもいい日を設ける

といったような、ちょっとしたプラスのイベントミニグッズを渡すようなルールづくりをしても良いと思います。

そして最も大切なのが「段階的にご褒美を減らすこと」です。

習慣ができてきたら、少しずつご褒美の頻度を下げ、「今日も頑張ったね!」と声をかけ、自信を育てていけることが理想的です。

ご褒美はあくまでも「習慣づくりの補助輪」

とはいえ、ここまで聞いて「ご褒美がないと、勉強しない子になってしまわないか」と心配する方も多いでしょう。その気持ちはとてもよくわかります。

たしかに与え方を間違えると、ご褒美が目的化してしまい、「ご褒美がないとやらない」という状態に陥るリスクはあります。

しかしこれは、ご褒美そのものが悪いわけではなく、使い方の問題なのです。

実際、個別進学塾トークスに通っているご家庭でも、ご褒美をうまく活用したご家庭ほど、最終的にはご褒美なしで自分から勉強する習慣を手に入れています。

・やればできる
・続ければ自信になる

という、ポジティブな経験を積み重ねたからこそ生まれる変化です。

勉強におけるご褒美の本当の役割は、学習習慣をつくるための補助輪のようなものです。

補助輪ですから、最初は必要かもしれません。でも、続けていけば自然と外れていくものです。

むしろ、ご褒美なしでいきなりギアを上げて頑張らせようとすると、挫折や反発を生みやすく、結果として勉強嫌いになってしまう可能性もあります。

大切なのは、子どもの成長段階に合わせて、ご褒美の与え方や頻度を調整すること。

無理なく自然に、やればできる自分に近づいていくことこそが、ご褒美活用の本当のゴールなんだと思っています。(僕がずっと言っている自己効力感、というヤツですね。)

ゆえに僕は、ご褒美で勉強させることはアリだと、自信を持って伝えています。

ただし、それは「与えっぱなし」でも「釣るだけ」でもなく、「成長を支える仕掛け」として上手に使うことが大前提であることを、忘れないでください。


本日もご覧いただき、ありがとうございました!

これからも、個別進学塾トークス平塚校はブログで役に立つ情報を発信します!(執筆する気力があれば、、)

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個別進学塾トークス代表の宮崎です!
大手塾に勤務後、独立し茅ヶ崎市に自分の塾を開校。常に満席になることが増えたため、2教室目としてトークスを立ち上げました。
10年以上の指導歴があり、数百名の合格者を出している、神奈川県の高校受験・大学受験の専門家です。